DOS中国語システムや中国語Windows 95に関して、この章が必ずしも役立たないのは 疑いありません。しかしあなたのホストがLinuxをベースとしているなら 中国語システムの設定が必要です。
Xウィンドウシステムを使うのであれば、中国語I/Oの問題の解決への道として xcinとcrxvtを組合せて使うことを提案します。
Xcin(X Window Chinese INputの短縮形)はXモードで実行される中国語入力システム です。xcinはクライアント/サーバ機能を利用しているので、あなたのすべきことは xcinウィンドウ一つを開くだけです。その結果同じウィンドウでのcrxvt仮想端末 (ターミナル)で操作することができます。リソース(コンピュータ資源)は少ししか 消費しません。またWang-HsingあるいはNatural inputといった優れた入力プログラム も提供されています。これらのプログラムは一致する単語を選択できます。 初期においては、フォントと入力テーブルをxcinにフィットするように変換 するために、ETen中国語システムを(xcinをインストールする前に)マウントする 必要がありました。 Tung-Han Hsieh, < thhsieh@twclx.phys.ntu.edu.tw>氏によってxcinの自発的な管理が 行われています。このやっかいな問題は解決されました!
最新バージョンはis 2.3.02ですが、これはβバージョンです。安定しているのは xcin-2.1dであることを覚えておいて下さい。
以下のftpサイトからxcinのソースをダウンロードします:
ftp://linux.cis.nctu.edu.tw/packages/chinese/xcin/xcin-2.1d.tar.gz
ftp://linux.cis.nctu.edu.tw/packages/chinese/xcin/xcin-2.3.02.tar.gz
xcinバージョン2.3.02を設定するためにまずxcin-2.3.02.tar.gzファイルを入手 して適当なディレクトリで展開(untar and unzip)します。
# tar xzvf xcin-2.3.02.tar.gz
....
# cd xcin-2.3.02
# ./configure (Follow the instructions on screen to modify the options you
picked in turn.)
# make
# make install
これでxcinバージョン2.3.02のセットアップが終りました。
RedHat Linux用にCd Chen氏によって管理されているxcin-2.3.02.i386.rpm を使うこともできます。
ftp://linux.ntcic.edu.tw/personal/cdchen/Chinese-RedHat-Packages/XCIN/RPMS/xcin-2.3.02-1.i386.rpm
から入手して
# rpm -Uvv xcin-2.3.02-3.i386.rpm
でインストールします。
yactはターミナルモードで実行する中国語表示/入力システムです。 chdrvとの主な違いはyactはsvgalibライブラリを使ってあなたのコンピュータの ディスプレイカードを使う点です。svgalibに含まれているビデオカードの情報 がないとLinuxでyactを動作させることはおそらくできないでしょう。
yactの優れた点は、フォントが画面上で24x24でスキャンされ、他のターミナル中国語 入力システムよりも美しい表示ができることです。またページのスクロールも他の ものよりもスムーズです。現在yactの最新版はyact-p4です。
yactは以下から入手できます。
ftp://linux.cis.nctu.edu.tw/packages/chinese/yact/yactp4.tar.gz
yactの設定方法は簡単です。yactのソースを入手して展開します。Makefileファイル
が正しいかどうか確認してプロンプトでmake all install directlyと実行
するとファイルがインストールされます。詳細はREADMEファイルを読んで下さい。
次はフォントの設定です。yactはHBFフォントを使っていますがyactのパッケージには
フォントはありません。つまりフォントを使えるようにするため別途作業する必要
があります。yactソースディレクトリ以下にあるHBFフォントの記述ファイル
(description file)et24.hbfを/usr/local/lib/yactにコピーして
、hzfont.hbfに名前を変更します。そして
STDFONT.24, SPCFSUPP.24, SPCFONT.24、ASCFONT.24
フォントを/usr/local/lib/yactディレクトリにコピーして、ASCFONT.24
を12x24に名前変更しておきます。
HBFフォントはフリーで入手できます。これら256 ASCII フォントの名前を12x24に
HBFフォントの記述ファイル名をhzfont.hbfに変更します。この記述ファイル
とフォントファイルを/usr/local/lib/yactに置けばこれでOKです。
yactを動作させるにはsvgalib 1024x768モードが必要なのでET4000シリーズでは 十分にサポートされません。一方bcs16はこの欠点に関してyactから修正されたもの です。640x480が必要なだけでほとんどのビデオカードで動作させることが可能です。
以下のサイトからbcs16を入手します:
ftp://linux.cis.nctu.edu.tw/packages/chinese/bcs/bcs007a.tgz
インストール:
# tar zxvf bcs007a.tgz # cd bcs16 # make # cp bcs16 /usr/local/bin
liubig5.tabを
/usr/local/lib/yactディレクトリに入れるだけです。
dataディレクトリ以下のファイルを/usr/local/lib/yactに置きます。
legalフォントファイルspcfont.15, spcfsupp.15, stdfont.15は
ひとつ上のディレクトリに置きます。cclib.16.gz cclib.16a.gz, jis.16.gz, ksc.16.gzフォントを
入手して/usr/local/lib/yactディレクトリで展開します。
ftp://nctuccca.edu.tw/Chinese/ifcss/software/fonts/
/usr/local/lib/yact/usrfont.15mディレクトリにコピーしておきます。
bcs16を実行します。Alt-Hキーを押すと実行についての説明を
表示できます。bcs16 の作者連絡先は cnoize.bbs@bbs.cis.nctu.edu.twです。
chdrvはコンソールで中国語を表示/入力する中国語エミュレータプログラムです。 chdrvはttyデバイスに直接アクセスするので、rootで実行します。現在chdrvは Yu-Chung Wang < wycc@iis.sinica.edu.tw> によって管理されています。 最新版はchdrv-1.0.10です。
以下から入手できます:
ftp://linux.cis.nctu.edu.tw/packages/chinese/chdrv/
をそれぞれ入手しておきます。
圧縮ファイルを展開(Unzip and untar)します。
# tar xvzf chdrvbin-1.0.10.tar.gz
# mv chdrvfont.tar.gz chdrv-1.0.10/
# cd chdrv-1.0.10
INSTALL.1.0ファイルに書かれているインストールの解説を読んで
installファイルを修正します。シャドウパスワードを使いたい時は
chinese.confの設定を変更する必要があります。以下の行のコメント
を外します。
LOGINPROGRAM /bin/telnet
この行をコメントしておきます。
LOGINPROGRAM /bin/login
そしてインストールスクリプトを実行します。
# ./installbin
cxtermは X Window Systemで実行する中国語仮想ターミナルです。 仮想端末の最も古い中国語表示/入力環境です。BIG5コード、GBコード、HZコードなど さまざまな中国語コードを提供しています。開いたcxtermはメインメモリに 中国語データをロードするのでシステムリソース(資源)をかなり消費します。
cxtermの最新版はcxterm5.0.p3.tar.gz(バージョン5.0.p3)です。
cxtermコードと中国語フォントが含まれています。以下のサイトから入手して
下さい:
ftp://ftp.ifcss.org/pub/software/x-win/cxterm/
あるいはsunsiteのrpmパッケージcxterm-5.0-1.i386.rpm,
cxterm-big5-5.0-1.i386.rpm, cxterm-gb-5.0-1.i386.rpm,
を入手して下さい。
ftp://sunsite.unc.edu/pub/Linux/distributions/redhat/contrib/contrib-2.0.x/RPMS/
パッケージを展開します:
# tar -xvzf cxterm5.0.p3.tar.gz
この操作によって新しいディレクトリcxterm-5.0ができます。
以下のように実行します。
# cd cxterm-5.0
# ./config.sh
全てのユーザーがcxtermを使えるようにするなら、./config.shはrootで
実行します。
0. Read COPYRIGHT Notice
1. Compile, Install, and Configure "CXTERM 5.0" in One Step
2. Compile cxterm (not to install)
3. Install cxterm (after successful compilation in 2)
4. Install additional Chinese font(s) for your X window
5. Configure your account for using cxterm (after installation in 3)
x. Exit
Please choose (0/1/2/3/4/5/x) :
全て自動的に行いたいなら1を選び、cxtermを保存するディレクトリ名を
入力します。/usr/local/chineseディレクトリに保存することをお奨めし
ます。パッケージには2つの中国語フォントが付いています。1あるいは3
を選択するとインストール処理を全て自動的に行います。さらにフォントを
インストールするには4を選択します。これらのセットアップが終了したら
パスの通ったディレクトリにcxtermとCXtermを置きます。
# export PATH=$PATH:/usr/local/chinese/bin
CXtermはXとcxtermのリソースをロードするシェルスクリプトです。
GBコードを使うには
# CXterm -gb
とします。 またBIG5コードを使うには
# CXterm -big5
と実行します。
webサイト
ftp://ftp.ifcss.org/pub/software/x-win/cxterm
にはcxterm用のカラーパッチがあります。このパッチを使ってcxtermでANSIカラー
を表示できます。/tmp/cxterm-5.0にcxtermのオリジナルファイルが
あるとして
# cp cxterm-5.0.p3-color.patch.gz /tmp
# gzip -d cxterm-5.0.p3-color.patch.gz
# patch < cxterm-5.0.p3-color.patch
# cd cxterm-5.0
# ./config.sh
と処理します。
XAはXcin Anywhereを省略して表したもので、小さいツールです。Xベースのソフト ウェアでxcinを使った中国語の入力ができるようになります。CXWin(あるいはXA+CV) を使ってXAをコーディネートさせるなら、中国語をサポートしていないソフトウェア で中国語アクセス環境を実現することができます。こうしてxtermはcxterm-ライクに 使えます。すごいと思いませんか?
XAは安定していないので、調べたり使ったりする場合は各自責任を負って行って 下さい。XAを動作させる前にxcinをインストールしておかなくてはなりません。 以下のサイトからXAを入手して下さい:
ftp://linux.cis.nctu.edu.tw/packages/chinese/xcin/XA/
展開します。./configureを実行するとmkとconfig.hが
作られます。./mkを実行することによってコンパイルされます。
コンパイルできたら./mk test xtermとしてxcinが呼び出されxtermで中国語を
入力できるかどうか調べて下さい。問題がなければwrap.soを
/usr/local/lib/にコピーして以下のようにします:
# LD_PRELOAD=/usr/local/lib/wrap.so netscape &
そしてxcinをいつものようにして使います。
XAの創設者は weijr.bbs@bbs.ntu.edu.twです。
現在、titとcinの2つの入力テーブルフォーマットがあります。
どちらもフォーマットはプレーンテキストです(つまりエディタで編集できます)。
しかし多くの中国語システムでは、検索方法の高速化のために特殊なバイナリ
フォーマットに(テキストフォーマットに)変換するためのユーティリティのみ
提供しています。
ある入力を設定する前にtit , cinを使ったり変換したあとにフォーマット
する必要があります。
Bo-Shia-My入力をどのように中国語システムに追加するかということを示す例として 取り上げます。入力テーブルについては
ftp://ftp.cis.nctu.edu.tw/UNIX/Chinese/Boshiamy/
を参照して下さい。titファイルは以下から入手できます
ftp://ftp.ifcss.org/pub/software/x-win/cxterm/dict/
xcinから提供されているcin2tabユーティリティをcinテーブルを
tabに変換するのに使います。
# cin2tab boshiamy.cin
これを実行するとboshiamy.tabとboshiamy.tab.revの2つのファイルが
作られます。これらをxcinディレクトリに置いて、xcinで使います:
# xcin -in9 boshiamy.tab
Bo-Shia-My入力を使うにはCTRL-ALT-9を押します。
yactはcxtermと同じようにバージョン2のcitを使います。yactに付いている
tit2citツールをboshiamy.titとcit間の変換に使うことができます。
boshiamy.citを/usr/local/lib/yactに移動してシンボリックリンク
をはります:
# ln -s boshiamy.cit 9
xcinのようにBo-Shia-My入力をするにはCTRL-ALT-9を押します。
はじめにboshiamy.tblを/usr/local/lib/chineseディレクトリに
置きます。そして/etc/chinese.confを修正します。以下のように
INPUTの箇所を追加します:
BEGIN INPUT PHONETIC /usr/local/lib/chinese/phone.def MULTI /usr/local/lib/chinese/boshiamy.tbl END INPUT
最後にchdrvのchconfigユーティリティを使って/etc/chinese.confの
内容を有効にします。
boshiamy.titをcxtermのtit2citユーティリティを使ってcitあるいは
citnfに変更します。そしてBo-Shia-My入力を動作させるために.Xdefaults
を修正します。インストール/実行についてはcxtermに付いているテクニカル
ドキュメントを参照してください。
中国語システムの確立ができたら、Linuxで中国語を表示することができるように なっています。しかし中国語エディタを使うときに、Linuxシステムは中国語を表示 できるけれど入力ができないということに気づくでしょう。 これらの問題を解消したいなら、中国語の入出力をLinuxシステムで使えるようにする ために、ユーザー側で2点修正しなければなりません。
はじめにシェルprofileファイルにlocaleの設定を追加する必要があります
(localeについては「locale mini-HOWTO」を参照して下さい)。
さらにホームディレクトリにある.inputrcファイルに入力について追加する
必要があります(.inputrcがない時は新しくつくります)。
ここでシェルprofileファイルと.inputrcに関する設定をします。
Bash Shell:
/etc/profileファイルを以下のように直します:
stty cs8 -istrip stty pass8 export LANG=C export LC_CTYPE=iso-8859-1
Tcsh Shell:
/etc/csh.loginあるいは/etc/csh.cshrcに以下を追加します。
stty cs8 -istrip stty pass8 setenv LANG C setenv LC_CTYPE iso-8859-1
$HOME/.inputrcファイルを以下のように設定します:
set convert-meta off set output-meta on
こうして中国語を含んだテキストファイル
grepツールを使って検索できます。これらが正しく行われれば
Linuxシステムで中国語を使えるようになりました。